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「尊重」について

目次

はじめに

小学校2年生のとき、いつの間にか私は、私立中学を受験するため、塾に通うことになっていました。

その後、中学受験に合格した私は、中高大一貫校に進むことになりました。

結果的には、そのおかげで、質の高い教育を受けることができましたし、生涯の付き合いになるであろう、先輩たち、何人かの友人たちとの、かけがえのない出会いも経験しました。

ただ、あの時——中学受験のために塾に通い始める際「自分の意思を聞かれた」記憶はありません。

そのため、「親が引いたレールの上を歩いている」という感覚が、その後の人生を通して、私の中でずっと消えませんでした。

1. 「尊重してほしい」という欲求

人には、「自分の意思や考えを尊重してほしい」という欲求があります。

つまり、自分のことを「他の誰とも違う、独立した人格を持つ一人の人間」として扱ってほしい、といった気持ちのことです。

冒頭で挙げた、「いつの間にか私立中学に進むことになっていた」という私の経験は、

  • 「自分の意思や考えが尊重されなかった」
  • 「自分の進む道を勝手に決められた」

そんな記憶として、私の心に今でも刻まれています。

来月からあなたは塾に行くのよ。

8歳の私

あ、そうなんだ…

8歳の私

…??

もしも、あの時、母親が、

中学に入って何したい?

などと、「私の意思を尊重する質問」をひと言でも投げかけてくれていれば、私は、

8歳の私

サッカーがしたい!!

そっかあ、サッカーがしたいのね!

8歳の私

うん。

8歳の私

僕は自分の気持ちに従って、行きたい道を選んでいいんだ!

と、「自分を価値ある存在として大切にする心」(=自尊心、自己肯定感、自己効力感、等)を、今よりもっと健全に育てることができたはずだ、と思っています。

2. 「尊重」が伝えるメッセージ

このように尊重とは、人(自分や他者)を「価値ある存在として認めること」だと私は考えています。

人を尊重することで、次のようなポジティブな効果があります。

  • 自分を尊重することで、自尊心主体性が育つ
  • 他者を尊重することで、信頼関係が築かれる

2-1. 自分を尊重する

自分を尊重することで、自尊心主体性が育ち、自分で自分の行動を選択していけるようになります。

Aさん

次の週末さ、京都の温泉に行きたいなって思ってるんだけど、どうかな?

Bさん

そうなんだね。
実は最近、仕事がハードなんだ。
だから私は、家で過ごしたいなと思ってるの。

この例では、Bさんが、自分の状態を無視することなく、

「仕事がハードで疲れているから家で過ごしたい」という自分の欲求を大切に守ることができています。

このように、健全な自尊心や主体性を育むことで、自分の健康を守りながら、自分の幸福感を大切にする生き方ができるようになります。

2-2. 他者を尊重する

他者を尊重することは、相手への深い理解につながるため、信頼関係を育んでいくことができます。

なぜなら、「あなたの意思や考えを大切にしたいです」という気持ちが伝わり、相手が安心して心を開ける対話ができるからです。

Bさん

次の週末さ、どんなふうに過ごしたい?

Aさん

そうだなー、久しぶりに京都の温泉とか行きたいなー。

Bさん

そうなんだ。
最近仕事がハードだったから、疲れているんだね?

Aさん

そうなんだよ。
分かってくれて嬉しいよ。
ありがとう。

この例では、Bさんが、まず相手を理解するための質問を投げかけ、Aさんの返答に対しても、共感の言葉を返しながら、理解に努めようとしています。

その結果、Aさんは、

  • 「自分を理解しようとしてくれている」
  • 「自分の気持ちを尊重してくれている」

そのようなBさんの気持ちを受け取り、安心感や信頼する気持ちになっています。

このように、「あなたの気持ちや考えを大切にしたい」といった姿勢で対話を進めることで、相互理解は深まり、信頼関係が自然と築かれていきます。

まとめ

尊重とは、人を「価値ある存在として大切にする」心の姿勢です。

それは、自分を無視して相手に従うわけではなく、また、相手を理解しないまま自分の欲求を押し通すことでもありません。

「私は、自分の気持ちを大切にしています。

と同時に、あなたのことも大切にしたいと思っています。」

——そんなメッセージが伝わる関わりのことだと、私は考えています。

このように「尊重」する気持ちを自分や他者に向けることで、安心感に包まれた空間が生まれ、

ありのままで居られる関係性(=信頼関係)」を築いていくことができます。

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